フッペルのピアノ
今日は、吉野ヶ里の旧目達原飛行場の正門跡と、サンメッセ鳥栖に展示されているフッペル社のグランドピアノを見に行ってきました。
太平洋戦争末期、明日特攻隊として知覧へ向かう隊員が、死ぬ前にどうしてもピアノを弾きたいと目達原から鳥栖国民学校を訪れ、ベートーベンの「月光」を演奏し、そして先生と子供たちで「海ゆかば」を合唱し、隊員を送り出したそうです。
戦争から40年が経ち、そのグランドピアノが廃棄されることになり、その当時その場に立ち会った音楽の先生が、ピアノの保存を訴えました。
そしてその訴えに世の中が動き、映画「月光の夏」が制作されたそうです。
現在は、サンメッセ鳥栖の1階に、当時のグランドピアノが綺麗に調律され展示されています。
自宅に帰ってからすぐに、映画「月光の夏」を見ました。
戦争中、明日特攻出撃する人が、最期にピアノを弾きたい。という願いが、、、同じ音楽を愛する者として、胸が締め付けられる思いでした。
特攻隊の出撃シーンは、本当に胸が張り裂けそうな思いになります。
特攻隊で色々な理由で生き残った人達も、戦争が終わってからも、仲間達に申し訳ないという自責の念に苛まれ、辛く苦しい思いで生きたことなど、、
今の平和な時代に生きる私達は、そういう時代があったことから目をそらしてはいけないし、その時代の人々の想いがあって、今の平和があることも、決して忘れてはいけないと思いました。
戦争を知らない私達の世代は、みずから知ろうとしないと、戦争があった時代のことを知ることができません。
今回、このピアノにまつわる歴史に触れることが出来たのは、ハーピスト古佐小基史さんのYouTubeぴおちゃんねるの中で、朗読とハープ「海ゆかば」という作品を聴いたからです。
古佐小さんのブログは、音楽観や人生観などとても勉強になりますし、オリジナルの曲も素敵なので、YouTubeもいつもチェックしているのですが、今回の朗読とハープ「海ゆかば」は、舞台が佐賀県鳥栖市だったので、思いがけず足を運んできました。
戦争を終わらせる為に犠牲となり、空に舞った命は、きっと神様になって空から私達を見守ってくれていると思います。
毎日、大好きなハープを弾ける。この当たり前の平和な日常に、心から感謝いたします。
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