その先
今日は、私が昨年の演奏会の時にとても不思議な感覚に捉われた時のお話しをしようかと思います。
昨年の8月に、佐賀市の平和展のオープニングで演奏をさせていただいた時のことです。
会場にはもちろん、平和への想いを強く胸に抱いた方々が集まっていたはずです。
私は一曲目に、平和への願いを込めてアメージンググレースを演奏しました。
その演奏中、なんとも言えない初めての感覚を味わいました。
いつも弾いているアメージンググレース。
指が勝手に動き、まるで誰かに操られているような感覚でした。
そして、その瞬間
『あぁハープって、祈りなんだ』と言葉が降りてきました。
自分の身体がふわりと宙に浮いたような、弾いている自分を客観的に感じるような?不思議な感覚だったのです。
そして、その演奏会はずっとそういう不思議な感覚のままでした。
演奏会が終わってみてから、なんだったんだろう?と振り返ってみて、多分、お客様の気と楽器から出る気が、ピタっと一致して、共鳴し合っていたのかなと思いました。
こんな感覚はとにかく初めてで、今のところあの時の演奏会だけです。
私はあの時、ハープが一番喜ぶ瞬間を知りました。
ハープは祈りそのもので、私がハープを弾いているんじゃなくて、弾かされているような感覚でした。
そして、こんなにも大切なことを教えてくれた最高のパートナーとずっとずっと、自分が死ぬ時まで一緒に歩んで行くんだと、あの日強く思いました。
だけど。
あの演奏会が彼女の最後のステージとなりました。
多分彼女は、自分の命をかけて
私に音楽を続けていく上で、一番大切なことを教えてくれたんだと思います。
音楽を学ぶことにゴールはありません。
楽器も変わり、次々と壁がやってくるけど、またあの時のあの感覚に出会えるように。
心の旅は続いていく。。
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